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競争法メモ

独占禁止法・独禁法・競争法・景表法

お知らせ

お知らせ

独禁法に関する情報のメモは、試しにWorkFlowyで「独禁法メモ」を作成してみました。これがうまくいけば、これに移行します。

 

このブログに書きそうなものとして列挙していたものは、だいたい、折り合いをつけました。

 

気楽なブログなど書きたいと思っています。いま何事も超低速です。そのうち、何かあったらお知らせします。

 

審決集60巻の審決取消訴訟以外の裁判は、まだどこにもまとめていませんが、そのうちどこかに。

 

 

平成26年改正後景表法全条文

景表法メモ お知らせ

政令・府令の改正・制定が公布されたため、(たぶん最後の)修正をいたしました。

平成26年改正後景表法全条文(入口HTMLページ)

(2016-02-08:冒頭に簡易な目次を付けました。)

 

なお、上記「全条文」には8条ガイドラインは入っていません。

8条ガイドライン(消費者庁サイトPDF)

 

施行規則・ガイドラインのパブコメ考え方(消費者庁サイトPDF)

 

 

常滑ガソリン警告(バロン・パーク、コストコ)

競争法メモ

発表資料

警告。

2者による並行的廉売。

 

…平成27年11月18日から同月27日までの10日間、レギュラーガソリンについて、その供給に要する費用を著しく下回る対価で継続して供給し、当該給油所の周辺地域に所在する他のレギュラーガソリンの販売業者の事業活動を困難にさせるおそれを生じさせた疑いがある。

 

廉売日から1ヶ月後の警告。

 

 

コストコのプレスリリース

 

 

 

 

塩化ビニル管等(塩ビ管)事件

競争法メモ 事例まとめ

(「塩化ビニル管及び塩化ビニル管継手」を略して便宜上「塩化ビニル管等」)

 

f:id:stjp6:20151204095532j:plain

 

平成19年7月10日
犯則調査開始の報道

 

平成19年7月11日
犯則調査対象追加の報道

 

平成20年5月7日
事務総長定例会見で告発断念について質疑応答

 

平成21年2月18日
発表資料+排除措置命令書
排除措置命令書
課徴金納付命令書
減免対象者公表リスト
(平成21年改正前であり減免の枠は3でグループ減免申請なし)

 

平成21年5月15日
審判開始の旨の発表

 

平成28年1月14日
直接陳述の聴取(12月1日頃?から「審判予定」欄に掲示)

f:id:stjp6:20151223220240p:plain

 

(直接陳述の聴取が行われるということは審決案の謄本が送達されたということになる(審判規則75条、76条)。)

 

 

 

適正電力取引ガイドライン改定(案)

競争法メモ

 

パブコメ案(平成27年12月17日)(公取委サイト)

12月4日の案にはなかった(?)セット割引についても書き込まれている。

 (案(平成27年12月4日)(電力取引等監視委員会サイト)

 

以下、織込版パブコメ案6〜7頁の「セット販売における不当な取扱い」について。
(2016-01-13追記)

  • 地元電力会社(「区域において一般電気事業者であった小売電気事業者」)が絡む行為に絞られている。
  • 電気がコスト割れで他の小売電気事業者が排除される場合に限定されている。(もちろんそのような事例もあり得るが、商品役務αと商品役務βのセット割引で典型的に語られる事案は、αについて強い立場にありβについて他の供給者を排除する場合であろう。)
    →適正電力取引ガイドラインは違反類型ガイドラインでなく特定業種啓蒙ガイドラインであり、発出者が特に重要と思うものだけを掲げる傾向がある。また、電気以外の市場での弊害には触れない、というスタンスを採っているのかもしれない。そのあとの「注」は、意味をとりにくい文面ではあるが、電気以外の市場への影響に配慮したものであるのかもしれない。
  • 「供給に要する必要を下回る」であり「著しく」がない。
  • 排除型私的独占ガイドライン注16は、「αとβのセットという1個の商品役務」について見るべき場合について記述している。これは、αについてもβについても複数のしっかりした競争者がいる場合を前提としたものである。αまたはβのいずれかについて強い立場にある者が存在する場合には、排除型私的独占ガイドライン注16は当てはまらない可能性がある。適正電力取引ガイドライン案には、「αとβのセットという1個の商品役務」について見るべき場合についての記述はない。
  • (ii)は排他的取引

 

 

 

Staples / Office Depot in 2015-2016

競争法メモ

FTCの行政手続の資料一覧

 

 

前回1997年 970 F. Supp. 1066 (D.D.C. 1997)

Leagleの判決文

 

2013年、FTCはOffice Depot/OfficeMaxについて、1997とは状況が変わった(non-OSSが強くなりAmazonなどのオンラインも強くなった)と説明してクリアしていた。その際、今回(2015-2016)の検討対象市場となった大口顧客向けについても言及していたが、Staplesとの競争等の諸点に言及して(statement)、問題なしとしていた。

2013 press release

 

以下は2015-12-07 Administrative Complaintのpress release

(裁判手続についてはスタッフに権限を与えたとするのみ)

 

would violate the antitrust laws by significantly reducing competition nationwide in the market for “consumable” office supplies sold to large business customers for their own use

 

According to the complaint, many large business customers buy consumable office supplies for their own use under a contract. In addition to a wide range of office supplies at competitive prices, the vendor provides them with fast and reliable nationwide delivery, dedicated customer service, customized online catalogs, integration of procurement systems, and detailed utilization reports.  That business-to-business market is distinct from the more competitive retail markets for office supplies sold to consumers.

 

プレスリリースによれば、Staples / Office Depot の検討対象市場は「(全米の拠点への配達を必要とするような)大口需要者に対する、その大口需要者が自社消費する消耗品文具の供給」。

 

Staples/Office Depot (1997)では一般消費者向けオフィス用品専門大型小売店の市場。実態が激動し、当局が勝てそうな市場が動いた(絞られた)ということかもしれない。全米の拠点への配達を必要とする需要者、という切り口はFTC v Syscoを彷彿。

 

 

 

 

 

【御礼】景表法連載について

お知らせ 景表法メモ

『NBL』で連載していた「景品表示法の構造と要点」が下記引用のようになりました。いろいろな試みをさせていただき有難く存じます。引き続きよろしくお願いいたします。

 

ご挨拶

 本誌1043号の第1回冒頭「連載に当たって」において予定したように、毎月1回(1日号)で1年を目処とした連載をさせていただき、公正競争規約制度と適格消費者団体差止請求制度を除く景表法の不当表示規制の主要部分を概観することができた。第1回と相前後して、適格消費者団体を原告とするサン・クロレラ販売京都地裁判決が現れたが、これも、不当表示に該当するか否かの問題については、盛り込むことができた。
 以上のように、予定通りの執筆をすることができたので、ここで連載は中締めとする。改めて深く感謝申し上げたい。

(NBL1063号61頁より)

 

 

日本放送協会対共立メンテナンス

競争法メモ

東京地判平成27年10月29日(平成24年(ワ)第21479号)〔日本放送協会対共立メンテナンス〕LEX/DBインターネット25541338

 

(6)被告は,放送受信契約の申込みに対する承諾義務を認めることは,受信機設置者において,原告放送を視聴しない自由が認められていないとして,独占禁止法に違反する旨主張する。
 しかしながら,放送受信契約は,放送法が,原告の設立目的を実現するための公益上の理由から,受信機設置者に対してその締結を義務付けたものであるから,独占禁止法に違反するものではない。

 

 

景表法の施行令・施行規則・8条ガイドラインのパブコメ案

景表法メモ


施行規則パブコメ案と8条ガイドラインパブコメ案が公表されたのを機に、政令概要パブコメ案とともに、項目だけ整理した。

 

施行令の概要のパブコメ案(平成27年10月19日)

 

以下のものをまとめたもの
 施行規則のパブコメ案(平成27年11月25日)
 8条ガイドラインのパブコメ案(平成27年11月25日)
  個別ファイルのある電子政府総合窓口

 

施行令案

権限委任政令を題名改正して施行令とする。
課徴金の売上額計算等について新規定を設ける。


景表法施行規則(内閣府令)案

 

1条
 定義

 2条〜6条
 新法3条・法6条の公聴会(←旧法5条公聴会府令)

 7条
 不実証広告規制の資料提出要求(排・課とも)(←資料提出要求府令)

 8条
 法8条2項の誤認解消措置

 9条
 法9条のリニエンシー

 10条〜16条
 返金額減額制度

 17条
 法12条4項の特定事業承継子会社等に関する規定

 18条〜19条
 法18条の課徴金納付の督促

 20条
 法19条の課徴金納付命令の執行の命令

 21条
 立入検査職員の身分証明書(←身分証明書府令)

 22条〜24条
 公正競争規約認定申請等(←認定申請等府令)

 25条
 言語

 

8条ガイドライン案


5〜9頁
 課徴金対象期間

 10〜12頁
 課徴金対象行為に係る商品又は役務

 12〜16頁
 売上額

 16〜21頁
 主観的要素

 21頁
 規模基準
 (リニエンシーや返金額減額制度で150万円を下回っても命令する旨の確認のみ)

 22頁
 不実証広告規制
 (課徴金納付命令関係でも不実証広告規制ガイドラインによること等)

 

 

 

三実通商対三栄産業(二重打刻鍵)

競争法メモ

東京地判平成27年8月27日(平成26年(ワ)第19616号)〔二重打刻鍵〕

裁判所サイト

 

三実通商(原告)は、三栄産業(被告)に対し、Z錠を有償で譲渡し、三栄産業がZ錠を使用して製造したZ錠付き鞄を購入し、これを綜合警備保障(SOK)に販売した。(裁判所PDF3頁)(SOKについては裁判所PDF2頁)

三栄産業は、SOKが実施した入札に参加し、三実通商を下回る価額で応札して落札して、自ら製造するSE錠を使用したSE錠付き鞄をSOKに販売している。(裁判所PDF3頁)

三栄産業は、SE錠用鍵の表面にZ錠を開錠することのできるピン穴を二重に打刻した二重打刻鍵を納入している。(裁判所PDF4頁)


一般指定14項

本件において二重打刻鍵の交付を受けたSOKは、Z錠付き原告鞄とZ錠用鍵を正当に購入しているのであって、[三栄産業の行為は]他人の鍵を無断で複製して第三者に流通させるような場合でないことは明らかである

(裁判所PDF16頁)

 

一般指定9項

仮に原告が主張するように、被告において、SE錠用鍵にZ鍵を開錠できる機能を付随させるという条件をSOKに提示して被告鞄の勧誘をしたとしても、上記3(2)のとおり、SOKがZ錠付き原告鞄をZ錠用鍵と共に正当に購入していることに鑑みると、これが本来の能率競争を阻害するものであるとも、顧客による適正な商品の選択を歪めるものであるともいい難い

(裁判所PDF17頁)

 

なお

本件は、独禁法24条による請求を含んでおり、平成26年7月30日に訴えが提起されているが(裁判所PDF13頁)、公取委の平成26年度年次報告87〜88頁の24条訴訟リストには掲載されていない。

 

 

平成26年度年次報告

競争法メモ

公取委サイト

 

年次報告が出たらすぐに見るのが、公取委の活動とは関係のない民事訴訟の動き(すみません。。)。

 

今回も86〜92頁に記述があるが、ざっと見たところ、以下のほかは、取り立ててこれといった情報はなかったように思えた。

  • 差止請求では東京地裁でインクカートリッジ関係の訴訟が起きている。
  • セブン-イレブン関係の25条訴訟で、平成26年度に、請求一部認容や請求棄却など、いくつかの判決が出ている。

 

 

景表法課徴金における「返金競争」について

景表法メモ

大阪弁護士会独禁法実務研究会で景表法について報告させていただき、貴重なご指摘ばかりで大変勉強になりました。

 

そのなかで、

 

「1商流でメーカーと小売業者の両方に課徴金が課される場合、返金競争が起こるのではないか」

 

との旨のご質問をいただきました。

 

下記の1のようなお答えまではしたのですが、下記2以下はその場では思い至りませんでしたので、あわせてここにメモしておきます。

 

  1. まず、景表法(平成26年11月改正後)には、複数の違反者(課徴金名宛人予定者)が同一の一般消費者に対して返金措置をしてそれぞれ減額を受けることを妨げる規定はないと理解しています。一般消費者は、複数の違反者から返金を受けることがあり得るということです。したがって、限られた枠をめぐって競争が起こるということは、ないと考えられます。

  2. 同一の一般消費者への返金額には下限だけでなく上限もあるとされています(平成26年11月改正逐条解説63頁、82頁、白石連載NBL1053号62〜63頁)。もし、同一の一般消費者が受けることのできる返金額総額のほうに上限が置かれることになれば、限られた枠をめぐる「返金競争」というものもあり得ると考えられますが、上限は、それぞれの違反者ごとに置かれるにとどまるのではないか、とも考えられます。景表法11条2項にいう内閣府令が制定されてみなければわかりませんが、私は後者だと考えていました。

  3. 「返金競争」が、一般消費者に返金する額をどうするかという競争が起こるかもしれないという意味であれば、ご指摘の通りと思います。

  4. しかし他方で、返金事務コスト低減のために、1商流の複数の違反者が、共同で、同一の一般消費者にまとめて複数違反者分を返金するということはあり得るのではないか、とも考えます。川上違反者が一般消費者の特定(10条1項)のための情報を持っていないことも多いでしょう。なお、1商流の複数の違反者は、返金について、独禁法2条4項の「競争」関係に立っておらず、話し合っても独禁法違反とはならないのではないかと考えられます。

    (世の中いろいろな意見がありますからリスクはありそうですが。。こうやっていろいろと考えると川上違反者による返金はなかなか大変そうだということに次々気付きますがこのあたりでやめておくことにします。。)

 

 なお、以上の検討においては、そもそも返金措置減額制度が利用されるのか、等の問題は捨象しています。